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なんとなくの毎日を、書きたいときに。

ぶらん子

いつも停めている駐輪場は公園の一角にあって、いくつかの遊具と植木がぽつぽつと配置されています。

帰るのはいつも夜になるので周りのことはあまり気にしないのですが、今日はぶらんこから音がして、ひやっとして反射的にそちらに視線を向けました。

 

乗っていたのはスーツの男性で、私と同じくらいの身長・体型。

暗くてよく見えなかったけれど、歳も案外若かったかもしれません。

膝から下を屈伸して振り幅を保ちながら、ぶらんこを揺らしています。

 

私に気づいていないのかとも思って静かに立ち去ろうとしたのですが、「こんばんは」と挨拶をされたので、少し驚きながら私も挨拶を返しました。

 

やめるそぶりもなく漕ぎ続ける姿に楽しそうだなぁって思いましたが、お互いにスーツなのもあってどうしても外面で挨拶をしてしまいます。

 

新宿という場所と、スーツに年齢、いろいろ絡まり合って、いささか苦しい。

 

いつからか、公園の遊具が楽しくていつまでも笑っていられるような、そんな時間がめっきり減りました。

 

多少恥ずかしさを捨ててでも、本当はそういう時間を作った方がいいのでしょうね。

 

子供がいきなり大人になるのはだいぶ難しいけれど、大人が子供に戻るのは、大人ぶっている他人を気にしなければそう難しくはないんだと思います。

 

いずれにしても、一緒に子供になってくれる人がいればそれが一番楽しいですね。

 

そういう人が、私にとっての「善き友」なんだろうなんて、勝手に思ってます。

 

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アンテナ、張りすぎていませんか。

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「ぶらんこ」は漢字があって、「鞦韆」って書くらしいです。

この時期らしい素敵な字だなって思ったら、どうやら春の季語みたい。

いろいろ由来はあるみたいたけど、不思議ですね。