ひとりのひとひとり
帰りが遅い日ほど、寄り道したくなりませんか。
夜型なのかわからないけど、仕事が終わった後や、友人と遊んで終バスを逃した夜道みたいな、そんな感じの時間がものすごくすき。
疲れがないわけじゃないけど、重い身体と空気をまとって、家に向かう。
家が近づいてくると、「もう少しだけ」って、なんとなく変な方に曲がる。
遠回りになるのは間違いないけれど、しばらくこのままでいいかなって感じで、惰性でどこまでも行けそうな気がする。
夜は静かだし人も少ないから、自分のことだけ考えられる。
追い抜いていくタクシーも、たまにすれ違う自転車も、みんなどこに行くのかな。
自分には、今はそこまで関係ない。
そう思えるのが、夜の帰り道。
ネコと目が合うと喋りそうな気がする。
街灯の虫は何周くらいしたんだろう。
飛んでるカラスは鳥目じゃないのかしら。
なんだか、人じゃないものばかり目に入る。
みんな暗くて、よく見えない。
でも、メガネはかけないでいいかって思う。
見えないでもいいなって、思う。
大人になって、いろいろなものが見えすぎてる気がする。
そういう時代なのもあると思う。
情報社会がなんだって。
だからたまの夜くらいは1人になって、自分と歩いたら如何。
少しくらい1人になったって、案外大丈夫なもんだと思う。
1人の方が、強いときもある。
1人の方が、自分に会える。
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一人3色。
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