分銅のいろ色
まだ小さかったころは、電車に乗っている大人がとても辛そうに見えた。
椅子に座ってすごい体勢で寝ていたり、つり革にしがみついてうたた寝している姿がやたらと目について、なんでそんなことになってるんだろって、よく思った。
ただやっぱりというか、年を重ねるにつれて、自分がだんだんそうなってる。
いつからそうなりだしたのかわからないけど、そうなっているのに気づいたときはすごい悲しくなった。なりたい大人じゃなかったから。
もとい、なりたくない大人だった。
いつからそんな人間になったんだろうって思い返しても、よくわからない。
いつの年代でも辛いことはあって、いつも必死で生きてきたつもりだけど、そうやってもがいてるうちに変な方向にきちゃったみたい。
子供の頃は自分を振り回してくるものが軽かったけど、学生・社会人って進んでくうちになにかとんでもないものに振り回されるようになった気がする。
なんとなく、関わってきた人の数とか、大きくなった身体とか、一年ごとに増えていく年齢も、ひょっとしたらだんだん増えてきた貯金さえ、重みに感じてしまう。
生きてれば基本的には積み重なっていくものばっかりだけど、結局捨てられないものが残って、それが重く感じちゃう。
でもぽいぽい捨てれちゃうと、それはそれでつまんないんだろうなとも思ったり。
人それぞれに重く感じるものは違うだろうけど、崖下に投げ捨てないくらいにたまに足元に置いたりして、ゆっくりでもうまいこと遠くに運べたらいいですね。
運んでどうなるものか知らないけど、運んでるものが重いほど入り口で天秤がよく動くかも。
動いたらそれはそれでどうなんだろ。
よくわかんなくなってきた。
今ならよく寝れる気がする。
おやすみなさい。
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梅雨明けもうすぐ。
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